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高野 里美

ひだまりベース 世話人

Q1:どのような経緯で入職したか? 

 発達障がいがある息子を、悩んで悩んで育ててきた母親です。改めて子育てを振り返ってみると、一つ一つのことに悩み、わが子のためにできることを夫婦で一致団結して取り組んできました。

 幼稚園に入園する際、園長先生が親身に寄り添い「助けます」「力になります」と言って、加配してくださいました。入園する前は、どちらかと言えば「ぼんやり」した印象の息子でしたが、通園するうちに幼稚園で習った歌を家で歌うようになるなど、園での楽しそうな様子が分かるようになりました。少しずつ成長する息子の姿を通して、その子に合った関り方で人は変わることができると感じました。

 その後もさまざまな方たちに支えていただき、息子は陸上の推薦で高校へ進学し、大学も卒業しました。今は県内で一人暮らしをして、農業の仕事に取り組んでいます。悩みやすい親でしたが、子育てを通して学んだことは、どうなるか分からない先の心配をするより、困ったときに一緒に悩んで解決策を見出せば良いということです。息子の成長を見て納得しましたね。

 息子が巣立った今、わが子へ注いできたエネルギーを息子と同じような人たちへ注ぎたい。たくさんの人に助けられた分、助けられる人になりたい。そして彼らが、健やかに暮らせる社会の一助になれたら幸せだと思い入職しました。

Q2 : 仕事をするうえで大切にしている自身のモットーやスタイル・価値観

 支援する側・される側ではなく、一人の人間として対等な関係でありたいと思っています。そして日々の関わりを通して、少しずつ少しずつ、繊細な糸を手繰り寄せるように相手の好みややりたいことを引き出し、それぞれが本当に望んでいることが実現するようにサポートしたいと思っています。みんなには、本当はやってみたいけれど躊躇してしまうことにもどんどん挑戦し、楽しみを見つけてほしいですね。

 時には、横並びの支援や平等の価値観だけでは一人ひとりの要望に届かないことがあり、そういう時は他の職員さんと支援の方向性について合意形成が必要になってきます。私自身、当事者の親として、息子のための「一歩踏み込んだ支援」に大きなパワーをもらいました。仕事の効率やそれぞれの考え方もありますが、入居している皆さん、そして働く私たち全員がちょっとでも幸せになるように、自分ができることをあきらめず粘り強くやっていきたいと思っています。

Q3:将来の夢は? ありたい姿は?

 みんな幸せになってほしい、そこに尽きます。それともう一つあります。ごきげんファーム茎崎(就労継続支援B型事業所)の竹細工チームのお一人に竹細工を教えてもらっているのですが、その方は教え方が上手で私の師匠です。あまり集団でいることが得意ではない方なのですが、教えてもらっている時は他の利用者の方も集まってきて自然と小さなコミュニティーが生まれます。少し話がずれましたが、そういう時間も嬉しいです。

 いつか竹さえあれば、小さな竹かごが作れるようになりたい。そしてそのかごの中に、農業をしている息子が育てた野菜を入れたいですね。

Q4:あなたにとって「ユアフィールドつくば」はどんな場所?

 法人全体が過渡期を迎えていることもあると思うのですが、支援の仕方が「こうあるべき」と型にはまっていないところが魅力ですね。福祉の資格取得のため、今は週3日の勤務にしているのですが、入居者の皆さんと過ごす時間がとても楽しく、退勤時には「もう、終わっちゃった」と思うほど幸せな場所。仕事が趣味と言っても過言ではないです。